ユメノナカ
もう、あれからどのくらいたったのでしょう…。 せかいのこわれた、あのひ・・・。 きみのえがおはみていません。 きみのこえがきこえません。 きみのぬくもりは、まだあって、ここにたしかに。 そんざいしているのに。 ぼくは、もういかなくてはなりません。 せかいがおわりにちかづいているから。 こわれた、せかい。うごかない、きみ。たびだつ、ぼく。 おおきな。 こわれている、せかい。 こわれてしまった、せかい。 ちいさな。ぼくたち。 たったひとりの、きみ。たったひとりの、ぼく。 どっちも、いっしょです。どちらも、ひとりです。 けれど、どちらも、いっしょではないです。 こきゅうしているきみは、うごかなくなったぼくのことを、 どうおもうのでしょう・・・。 きみのめに、せかいはどう、うつりますか? ぼくは、どうなっていますか? ぼくは、いかなくてはなりません。 せかいは、もう、こわれてしまったから・・・。 きみのえがおはみていません。 きみのこえがきこえません。 きみのぬくもりは、たしかにまだ、ここにあるのに。 どうして、おわりはあるのでしょう? ぼくは、どこにいくのでしょう? きみは、ここにいますか? きみは、ここにいたのですか? ぼくは、どこにいきますか? きみをのこして、どこにいきますか? けれど、おわりはすぐそこです。 もう、たびだつじかんです。 もしも。 もしも、きみのえがおがみれて、きみのこえをきいたのなら。 ぼくは、せかいがおわってもいいのに。 たったひとりのぼく。 たったひとり、のこされたきみ。 どうか、おねがいです。 きみにうつるぼくが、すこしでも、 ほんのすこしでも、のこっていますように・・・。 さようなら、きみといたぼく。さようなら、さようなら。 いきさきはわかりません。 けれど、ぼくはいきます。そのさきに。 そうして、そのさきに。 きみが。 ゆめでもいいから、わらっていてください。