熱帯飼育。
完結済。
4.同級生。 校舎外にある水飲み場で、二つ目のジョウロに水を溜め始めた時、横から聞きなれた声に名前を呼ばれた。 「み〜な〜と!」 「あ〜っ後藤君!今帰り?」 声をかけてきた彼は僕の同級生で友達の、後藤 昌己君。 とってもいい人で、いつも僕は後藤君に助けてもらってばかりで、いつも迷惑をかけてしまっている。 「ん!湊はこれから水やり?」 「うん、そう。」 「俺も手伝う〜!んで、一緒に帰るわよ〜!」 「あはは!うん、ありがとう。」 お姉さん声でおちゃらけながらも手伝いを申し出てくれた後藤君にまた甘えてしまった。 後藤君は、こうして時々…ほぼ毎日温室に来ては、手伝ってくれる。 水を汲み終わり、温室へ戻る時にも後藤君はジョウロを持ってくれた。 ほんとに日々、助けてもらいっぱなしだ…。反省しなくちゃ。 そんな僕の反省を打ち砕くかの様に、運命は彼をも巻き込んで嘲笑っていた。 なのに僕らは、何にも知らずにいつもと同じ様に、ふざけあっていた。 …まさかこれからこんな事が起きるとも知らず。
Next,